デスクワークなどで長時間座っている、休みの日にソファーや座椅子に座って映画やドラマを長時間見ている方など多いのではないでしょうか?
座っている姿勢でイメージがつきやすいのは猫背だと思います。
長時間座って肩が痛い、首が痛い、腰が痛くなったなどの症状を訴える患者様が非常に多くいらっしゃいます。
この時に身体に起こっている事は
まず骨盤が後ろに倒れて後傾します。
それにより腰椎の前弯が浅くなり、胸椎の後弯がきつくなることにより猫背が完成します。
この時に頭は前に出ます。そしてそれを支える首の負担が増えることで、首や肩の不調の原因になります。
肩甲骨は外に広がっていき肩甲骨の内側にある筋肉が引っ張られることで関西弁でいう『肩引き』に痛みやだるさなどの症状が出る原因になります。
デスクワークで長時間パソコンを使用されている方は目の疲れやドライアイなどからくる首や肩の症状、キーボードやマウスを使う事で指や手首や肘周囲の筋肉が硬くなりそれによって肩や首に症状が出る場合もあります。
腰椎の前弯が減少する事でお腹は潰され呼吸が浅くなります。また椎間板への負担が増大するため椎間板ヘルニアの原因になることも考えられます。
骨盤が後ろに倒れて後傾すると股関節は外に開きっぱなし(外旋位)になります。その影響で太ももの内側にある内転筋という筋肉が伸ばされて働かなくなります。また太ももの外側にある腸脛靭帯とよばれる靭帯が縮まりっぱなしになり膝痛や腰痛の原因になります。
※画像:左側が骨盤前傾、右側が骨盤後傾
さらに股関節は曲がりっぱなし(屈曲している)のため鼠径部にある鼠経靭帯とよばれる靭帯の下を通っている動脈、静脈、神経が圧迫されます。
動脈が圧迫される事で下半身の筋肉に栄養や酸素が送られなくなり膝やふくらはぎのだるさや痛みの原因になります。
静脈が圧迫されることで下から送られてくるはずの血液が滞り浮腫みの原因にもなります。
他にも股関節の屈曲により太ももの前にある大腿四頭筋と後ろにあるハムストリングスのバランスが崩れ膝のお皿の周囲の組織に悪影響を与えます。
長時間座る事でこれだけの症状が出る可能性がありますし、猫背で固まった身体で日常生活を送る事で他にも様々な症状が出る事も考えられます。
もちろん座る時の姿勢は一人一人違うため誰にでも当てはまるわけではないですが、一般的にいわれている猫背で考えると以上の様なことが考えられます。
姿勢を改善するには背骨の柔軟性を出す、使えていない筋肉をしっかり使える様する、骨盤を安定させる筋肉のエクササイズなども必要になってきます。
骨盤を安定させる筋肉の一つである内転筋の簡単なエクササイズを一つご紹介します。
下記の画像のようにボールやタオルを挟みます。
このエクササイズは太ももの内側にある内転筋を働かせるのが目的です。
内転筋が働く様になれば骨盤が前に倒れて前傾していき腰椎の前弯、胸椎の後弯が正常な位置に近づき、結果猫背の解消に繋がります。
まずは5秒間挟む→10秒間休憩を5回ほど繰り返すだけでも良いと思います。
テレビを見ながらでもできるエクササイズなので是非参考にしてみてください。
もし寝ながら行いた場合は仰向けで膝を立ててボールやタオルを挟んで行ってみてください。
回数などは椅子に座って行うやり方と同じで大丈夫です
エクササイズをするタイミングですが、朝の起床時や就寝2~3時間前が良いかなと思います。
※就寝前に行うと睡眠モードに入った身体を興奮させて寝付きにくくなる場合があるのでご注意ください。